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[資料番号] 00073
[題  名] 改正・労働者派遣法のあらまし
[区  分] その他

[内  容]

◇労働者派遺事業の適正な運営の確保及び派遺労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律(法律第八四号)
(労働省)
一 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部改正関係
改正・労働者派遣法のあらまし




 20の改正ポイント



 何人も、次のいずれかに該当する業務について、労働者派遣事業を行ってはならないこととした。(第四条第一項関係)

(一) 港湾運送業務(港湾労働法に規定する港湾運送の業務及び同法に規定する港湾以外の港湾において行われる当該業務に相当する業務として政令で定める業務をいう。)

(二) 建設業務(土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係る業務をいう。)

(三) 警備業法に掲げる業務その他その業務の実施の適正を確保するためには業として行う労働者派遣により派遣労働者に従事させることが適当でないと認められる業務として政令で定める業務




 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定により、若しくは刑法の傷害等の罪を犯したことにより、又は健康保険法、船員保険法、労働者災害補償保険法、厚生年金保険法、労働保険の保険料の徴収等に関する法律若しくは雇用保険法の一定の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者を一般労働者派遣事業の許可及び特定労働者派遣事業開始の欠格事由として追加することとした。(第六条及び第一七条関係)




 一般労働者派遣事業の許可の基準として、個人情報を適正に管理し、及び派遣労働者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていることを、派遣元責任者の業務として、派遣労働者等の個人情報の管理に関することを追加することとした。(第七条第一項及び第三六条第四号関係)





 派遣元事業主及びその代理人、使用人その他の従業者は、正当な理由がある場合でなけれは、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならないこととした。(第二四条の三関係)





 労働者派遣の役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならないこととした。(第二六条第七項関係)




 8の(一)、(二)及び(三)の業務以外の業務について派遣元事業主から新たな労働者派遣契約に基づく労働者派遣の役務の提供を受けようとする者は、当該労働者派遣契約を締結するに当たり、あらかじめ、当該派遣元事業主に対し、当該労働者派遣の役務の提供が開始される日以後当該業務について8に抵触することとなる最初の日を通知しなければならないこととし、派遣元事業主は、この通知がないときは、当該労働者派遣の役務の提供を受けようとする者との間で、当該業務に係る労働者派遣契約を締結してはならないこととした。(第二六条第五項及び第二六条第六項関係)




 派遣元事業主は、派遣先が当該派遣元事業主から労働者派遣の役務の提供を受けたならば8に抵触することとなる場合には、当該抵触することとなる最初の日以降継続して労働者派遣を行ってはならないこととした。(第三五条の二関係)




 派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ことの同一の業務(次に掲げる業務を除く。14において同じ。)について、派遣元事業主から一年を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならないこととした。(第四○条の二第一項関係)

(一) その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術若しくは経験を必要とする業務又はその業務に従事する労働者について、就業形態、雇用形態等の特殊性により、特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務であって、当該業務に係る労働者派遣が労働者の職業生活の全期間にわたるその能力の有効な発揮及びその雇用の安定に資すると認められる雇用慣行を損なわないと認められるものとして政令で定める業務

(二) 事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務であって一定の期間内に完了することが予定されているもの

(三) 派遣先に雇用される労働者が産前産後休業及び育児休業をする場合における当該労働者の業務その他これに準ずる場合として労働省令で定める場合における当該労働者の業務




 労働大臣は、8に違反している者に対し、指導又は助言をした場合において、その者がなお8に違反しており、又は違反するおそれがあると認めるときは、当該者に対し、8に違反する派遣就業を是正するために必要な措置又は当該派遣就業が行われることを防止するために必要な措置をとるべきことを勧告することができることとした。(第四九条の二第一項関係)




10 労働大臣は、派遣先が8に違反して労働者派遣の役務の提供を受けており、かつ、当該労働者派遣の役務の提供に係る派遣労働者が当該派遣先に雇用されることを希望している場合において、当該派遣先に対し、当該派遣労働者を雇い入れるように指導又は助言をしたにもかかわらず、当該派遣先がこれに従わなかったときは、当該派遣先に対し、当該派遣労働者を雇い入れるように勧告することができることとした。(第四九条の二第二項関係)




11 9又は10の勧告を受けた者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができることとした。(第四九条の二第三項関係)




12 派遣元事業主は、労働者派遣をするときは、当該労働者派遣に係る派遣労働者の健康保険の被保険者の資格の取得の確認、厚生年金保険の被保険者の資格の取得の確認及び雇用保険の被保険者となったことの確認の有無に関する事項であって労働者省令で定めるものを派遣先に通知しなければならないこととした。(第三五条第二号関係)




13 派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者について、当該派遣就業が適正かつ円滑に行われるようにするため、適切な就業環境の維持、診療所、給食施設等の施設であって現に当該派遣先に雇用される労働者が通常利用しているものの利用に関する便宜の供与等必要な措置を講ずるように努めなければならないこととした。(第四〇条第二項関係)




14 派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務について派遣元事業主から継続して一年間労働者派遣の役務の提供を受けた場合において、引き続き当該同一の業務に労働者を従事させるため、当該一年間が経過した日以後労働者を雇い入れようとするときは、当該同一の業務に継続して一年間従事した派遣労働者であって次のいずれにも適合するものを、遅滞なく、雇い入れるように努めなければならないこととした。(第四〇条の三関係)

(一) 当該一年間が経過した日の前日までに、当該派遣先に雇用されて当該同一の業務に従事することを希望する旨を当該派遣先に申し出たこと。
(二) 当該一年間が経過した日から起算して七日以内に当該派遣元事業主との雇用関係が終了したこと。




15 労働者派遣の役務の提供を受ける者がその指揮命令の下に労働させる派遣労働者の就業に関しては、当該労働者派遣の役務の提供を受ける者もまた、当該派遣労働者を雇用する事業主とみなして、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律中の職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の配慮並びに妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置の規定を適用することとした。(第四七条の二関係)




16 労働者派遣をする事業主又は労働者派遣の役務の提供を受ける者がこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反する事実がある場合に、派遣労働者は、その事実を労働大臣に申告することができることとし、労働者派遣をする事業主及び労働者派遣の役務の提供を受ける者は、申告をしたことを理由として、派遣労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこととした。(第四九条の三関係)





17 公共職業安定所は、派遣就業に関する事項について、労働者等の相談に応じ、及び必要な助言その他の援助を行うことができることとした。(第五二条関係)




18 労働者派遣事業適正運営協力員は、労働者派遣をする事業主、労働者派遣の役務の提供を受ける者、労働者等の相談に応じ、これら
 の者に対する専門的な助言を行うこととした。(第五三条第二項関係)





19 及び16に違反した者に所要の罰則を科すこととした。(第六〇条第二号及び第六一条第三号関係)




20 何人も、物の製造の業務(物の溶融、鋳造、加工、組立て、洗浄、塗装、運搬等物を製造する工程における作業に係る業務をいう。)であって、その業務に従事する労働者の就業の実情並びに当該業務に係る派遣労働者の就業条件の確保及び労働力の需給の適正な調整に与える影響を勘案して労働省令で定めるものについては、当分の間、労働者派遣事業を行ってはならないこととした。(附則第四項関係)









二 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部改正関係

 高年齢者に係る労働者派遣事業の特例を廃止することとした。(第一一条の三及び第一一条の四関係)


三 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部改正関係

 育児休業等取得者の業務について行われる労働者派遣事業の特例を廃止することとした。(第四六条の二及び第四六条の三関係)


四 その他

1 政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律による改正後の労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働
 者の就業条件の整備等に関する法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、同法の規定について検討を加え、その結果に
 基づいて必要な措置を講ずることとした。(附則第九条関係)


2 この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとした。