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[資料番号] 00140
[題  名] 足場先行工法に関するガイドライン-H15.4.1
[区  分] 安全管理

[内  容]



 

 

【資料のワンポイント解説】

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2..

3.

mokuji

■手すり先行工法に関するガイドライン
■手すり先行工法による足場設置基準



厚生労働省労働基準局長から都道府県労働局長あて
〔平成15年4月1日付け基発第0401012号通達〕

手すり先行工法に関するガイドラインの策定について

 

 建設業における労働災害の防止については、従来より行政の重点課題として、その対策の推進を図っているところである。しかしながら、建設業における労働災害は減少傾向にあるとはいえ、依然として全産業に占める割合は大きく、休業4日以上の労働災害で全産業の2割強、死亡災害で4割弱を占めている。また、死亡災害をその種類別にみると、墜落災害によるものが最も多く、建設業における死亡者数の約4割を占め、とりわけ、足場からの墜落が墜落災害による死亡者数の約2割で最も高い割合となっている。足場は、本来、建設工事において高所作業を安全に行うために設置するものであることから、足場からの墜落災害を撲滅することは、建設業の労働災害を防止する上で喫緊の課題である。
 このため、厚生労働省では「足場等の安全対策検討会」を開催し、足場からの墜落災害を防止するための具体的対策について検討を行ってきたが、今般、その検討内容等を踏まえ、足場からの墜落災害等を防止する有効な対策として、別添1のとおり「手すり先行工法に関するガイドライン」を策定した。
 ついては、引き続き、建設業における労働災害防止対策を進めるとともに、関係事業者等に対し、あらゆる機会をとらえて本ガイドラインの周知徹底に努められたい。
 なお、本ガイドラインの内容は、建設現場で実際に行われている対策の好事例を基に望まれる対策をとりまとめたものであり、すべての建設現場に普及定着するためには計画的な取組が必要とされる事項が含まれていることに留意の上、関係事業者の自主的な取組がなされるよう配慮されたい。
おって、別添2(=省略)のとおり、関係団体に対し、本ガイドラインの周知徹底等を図るよう要請したので了知されたい。

 

 

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別添1


手すり先行工法に関するガイドライン



第1 目的
 本ガイドラインは、労働安全衛生関係法令と相まって、足場の設置を必要とする建設工事において、手すり先行工法による足場の組立て、解体又は変更の作業(以下「足場の組立て等の作業」という。)を行うとともに、働きやすい安心感のある足場を使用することにより、労働者の足場からの墜落等を防止し、併せて快適な職場環境の形成に資することを目的とする。



第2 適用対象
 本ガイドラインは、足場の設置を必要とする建設工事(軒の高さ10メートル未満の木造家屋等低層住宅建築工事を除く。)に適用する。



第3 手すり先行工法の定義
 本ガイドラインで示す「手すり先行工法」とは、建設工事において、足場の組立て等の作業を行うに当たり、労働者が足場の作業床に乗る前に、別紙に示す「手すり先行工法による足場設置基準」(以下「足場設置基準」という。)に基づいて、当該作業床の端となる箇所に適切な手すりを先行して設置し、かつ、最上層の作業床を取り外すときは、当該作業床の端の手すりを残置して行う工法をいう。



第4 事業者等の責務
 事業者は、労働安全衛生関係法令を遵守するとともに、本ガイドラインに基づき、足場の組立て等の作業を行い、かつ、働きやすい安心感のある足場を使用することにより、建設工事における墜落等による労働災害の一層の防止に努めるものとする。
 労働者は、労働安全衛生関係法令に定める労働者が守るべき事項を遵守するとともに、事業者が本ガイドラインに基づいて行う措置に協力することにより、建設工事における墜落等による労働災害の防止に努めるものとする。



第5 講ずべき措置

1 足場に係る施工計画の策定


 事業者は、次により、足場の設置を行う作業箇所等に係る事前調査を行うとともに、足場計画、機材管理計画、作業計画、機械計画、仮設備計画、安全衛生管理計画及び工程表を作成することにより、足場に係る施工計画を策定し、関係労働者に周知すること。

(1) 事前調査
 足場を設置する前に次のア及びイの調査を実施し、当該調査結果に基づき、(2)から(8)までの計画を作成すること。

 ア 敷地内調査
  建設工事を行う敷地内について、現地踏査等の方法により次の事項に関して調査を行い、その状況を把握すること。
  (ア) 敷地内の建築物等の有無及びその状況
  (イ) 敷地の広さ、形状、傾斜、土質等の状況
  (ウ) 敷地使用上の制約等
  (エ) その他足場の設置に関して必要な事項

 イ 周囲の調査
  建設工事を行う敷地周辺について、現地踏査等の方法により次の事項に関して調査を行い、その状況を把握すること。
  (ア) 敷地に隣接する建築物等の有無及びその状況
  (イ) 架空電線の有無及びその状況
  (ウ) 崖、溝、水路、樹木等の有無及びその状況
  (エ) 道路、交通量、交通規制等の状況
  (オ) 工事施工上の制約等
  (カ) その他足場の設置に関して必要な事項


(2) 足場計画
 (1)の事前調査の結果に基づき、次の事項を明らかにした足場計画を作成すること。

 ア 足場の種類等
  足場設置基準に基づき、足場の種類及び手すり先行工法による足場の組立て等の作業方法を定めること。
 イ 構造
  足場は、丈夫で、足場設置基準に基づいた墜落の危険の少ない安心感のある構造とすること。
 ウ 設計荷重
  足場の自重、積載荷重、風荷重、水平荷重等を適切に設定すること。
 エ 最大積載荷重
  足場の構造及び材料に応じて、作業床の最大積載荷重を定めること。
 オ 機材
  足場の構造に応じた機材の種類及び量を確認するとともに、必要となる時期までに確保できるようにすること。
 カ 組立図
  足場の各部材の配置、寸法及び材質並びに取付けの時期及び順序が明記された組立図を作成すること。
 キ 点検
  足場設置基準に基づき、足場の点検及び補修の方法、時期等を定めること。


(3) 機材管理計画
 (2)のオの機材については、次の事項を明らかにした機材管理計画を作成すること。

 ア 機材の点検
  足場の組立て及び変更の作業を行う前に、機材の欠点の有無等について点検し、不良品を取り除くこと。
 イ 規格への適合の確認
  わく組足場等の鋼管足場用の部材及び附属金具については、鋼管足場用の部材及び附属金具の規格(昭和56年労働省告示第103号)に適合していることを確認すること。
 ウ 経年管理の確認
  機材については、平成8年4月4日付け基発第223号「経年仮設機材の管理について」に基づいて適切に経年管理が行われていることを確認すること。


(4) 作業計画
 (1)の事前調査の結果及び(2)により決定した足場の種類に応じて、次の事項を明らかにした作業計画を作成すること。

 ア 足場の組立ての作業の準備
  (ア) 足場の組立ての作業に支障となる障害物等の除去方法
  (イ) 架空電線の防護方法
  (ウ) 足場の基礎地盤の整備方法
  (エ) 周辺道路、隣接家屋等への機材の飛来等の防止方法
  (オ) 機材等の搬入及び仮置き方法
  (カ) その他足場の組立ての作業の準備に必要な事項

 イ 足場の組立ての作業
  (ア) 足場を構成する部材の取付けの方法及び手順
  (イ) 朝顔、荷上げ構台、巻上機等足場の部材に取り付ける設備の取付けの方法及び手順
  (ウ) 階段及び踊り場の設置方法及び設置手順
  (エ) 出入口等の補強方法及び補強手順
  (オ) (5)のイの(ア)に応じた作業手順
  (カ) その他足場の組立ての作業に必要な事項

 ウ 足場の解体の作業
  (ア) イの(ア)から(エ)までの作業により取り付けたすべての部材等の取り外し順序及びそれぞれの部材等の取り外し手順
  (イ) (5)のイの(ア)に応じた作業手順
  (ウ) その他足場の解体の作業に必要な事項

 エ 足場の変更の作業
  足場の変更の作業においては、部材等の取り外しの作業はウ、部材等の取付けの作業はイによるとともに、次の事項を明らかにすること。
  (ア) 足場の変更に関する承認方法
  (イ) 一時的変更の場合における復元の時期及び確認方法
  (ウ) 足場を変更する時期、範囲及び内容を関係労働者に周知する方法
  (エ) その他足場の変更の作業に必要な事項


(5) 機械計画
 足場の組立て等の作業にクレーン、移動式クレーン、車両系建設機械等の機械(以下「機械」という。)を使用する必要があるときは、次の事項を明らかにした機械計画を作成すること。

 ア 機械の設置
  (ア) 使用する機械の種類、能力及び必要台数
  (イ) 使用する機械の設置場所、設置方法及び設置期間
  (ウ) 使用する機械の搬出入の方法
  (エ) その他機械の設置に必要な事項

 イ 機械の使用
  (ア) 機械の作業範囲及び作業方法
  (イ) 機械の運行経路
  (ウ) 機械の運転中に立入りを禁止する方法又は誘導者を配置する方法
  (エ) その他機械の使用に必要な事項


(6) 仮設備計画
 次の足場に関連する仮設備を設置するときは、当該仮設備の種類、数量、設置場所、設置方法、設置期間及び使用方法を明らかにした仮設備計画を作成すること。

 ア 安全に昇降するための仮設備
 イ 飛来落下を防止するための仮設備
 ウ 照明を確保するための仮設備
 エ 電源を確保するための仮設備
 オ その他必要な仮設備


(7) 安全衛生管理計画
 次の事項を明らかにした安全衛生管理計画を作成すること。

 ア 安全衛生管理体制
 イ 安全衛生教育
 ウ 安全衛生活動


(8) 工程表
 足場を使用する作業等(足場の組立て等の作業を除く。以下同じ。)及び足場の組立て等の作業において、次の事項を明らかにした工程表を作成すること。

 ア 各作業に関する工程
 イ 安全衛生管理に関する工程
 ウ 各作業間及び各作業と安全衛生管理の関連


2 足場に係る施工計画の実施及び変更時の措置
事業者は、1で策定した足場に係る施工計画及び足場設置基準に基づき、手すり先行工法による一連の作業を適切に行うこと。
また、同施工計画を変更する必要が生じた場合は、事前に関係者と十分に検討を行った後に変更し、変更した施工計画は関係労働者に周知すること。



第6 留意すべき事項

 事業者は、第5の1で策定した足場に係る施工計画及び足場設置基準に基づき、手すり先行工法による一連の作業を行うとともに、次の事項に留意すること。

1 足場の構造上の留意事項

 足場の組立てに当たっては、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第570条、第571条等の労働安全衛生関係法令を遵守し、第5の1の(2)のカ及び(4)のイに基づいて組み立てるとともに、次によること。

(1) 脚部

 ア 足場の脚部の沈下を防止するため、地盤を十分に突き固め、敷板等を敷き並べること。
 イ わく組足場にあっては、建わくの脚柱下端にジャッキ型ベース金具を配置し、建わくの高さをそろえること。


(2) 布

 ア わく組足場にあっては、床付き布わくの幅と建わくの幅が同じものを取り付けること。建わくの幅が広いときは、床付き布わくを2枚敷き並べる等脚柱とのすき間をつくらないようにすること。
 イ 床付き布わくのつかみ金具は、外れ止めを確実にロックすること。


(3) 筋かい

 ア 交さ筋かいは、原則として外側及び躯体側の両構面に取り付けること。
 イ 建わくの交さ筋かいピンは、確実にロックすること。


(4) 壁つなぎ

 ア わく組足場にあっては、壁つなぎの間隔を垂直方向9メートル以下、水平方向8メートル以下で取り付けるとともに、最上層に壁つなぎ又は控えを取り付けること。
 イ 単管足場にあっては、壁つなぎの間隔を垂直方向5メートル以下、水平方向5.5メートル以下で取り付けるとともに、最上層に壁つなぎ又は控えを取り付けること。
 ウ 壁つなぎは、壁面に可能な限り直角に取り付けること。
 エ 壁つなぎ用のアンカーは、専用のものを用いること。なお、後付けアンカーの場合、必要な引抜強度を確保すること。


(5) 妻側手すり

 ア 足場の妻側の各層には、必ず単管等で手すりを設置すること。
 イ 手すりの高さは90センチメートル以上とするとともに、中さんを取り付けること。


2 足場の組立て等の作業における留意事項

 足場の組立て等の作業に当たっては、第5の1の(4)に基づいて作業を行うとともに、次によること。


(1) 作業時期等の周知
 足場の組立て等に係る時期、範囲及び順序を関係労働者に周知すること。


(2) 立入禁止
 足場の組立て等の作業を行う区域内には、関係労働者以外の立入りを禁止すること。


(3) 手すり先行の徹底
 手すりが先行して設置されていない作業床及び手すりが取り外された作業床には乗ってはならないことを関係労働者に周知徹底すること。


(4) 安全帯の使用
 手すりを先行して設置できない箇所においては、労働者に安全帯を使用させるとともに、安全帯を確実に接続された建わく又は労働者が作業床上で作業をする前に設置した親綱に取り付けさせること。


(5) 安全帯の取付設備の設置
 安全帯を親綱に取り付けるときは、足場設置基準に基づいた安全帯の取付設備を設置すること。


(6) 悪天候時の作業の中止
 強風時等の悪天候が予想されるときは、足場の組立て等の作業を中止すること。


(7) つり網等の使用
 材料等を上げおろしするときは、つり網、つり袋等を労働者に使用させること。


(8) 作業主任者の選任
 足場の組立て等の作業を行うときは、足場の組立て等作業主任者を選任し、その者に労働安全衛生規則第566条の職務を行わせるとともに、関係労働者に不安全行動を行わせないよう監視させること。


(9) 点検
 足場の組立て等の作業を行った後、又は足場を使用する作業等を開始する前に、第5の1の(2)のキで定めた点検の方法等に基づき、点検を行うとともに異常を認めたときは、直ちに補修すること。


(10) 足場の変更
 足場を変更する場合は、第5の1の(4)のエで定めた変更の方法等に基づき、変更の作業を行うとともに、一時的に変更した部材は必ず復元すること。


3 足場を使用する作業等における留意事項


(1) 足場を使用する作業等の開始
 足場を使用する作業等は、2の(9)の点検を行った後でなければ開始してはならないこと。


(2) 手すり確認の徹底
 作業床の端に手すりが設置されていない場合は、足場を使用する作業等を行ってはならないことを関係労働者に周知徹底すること。


(3) 最大積載荷重の遵守
 作業床には、第5の1の(2)のエで定めた最大積載荷重を超えて作業床に積載してはならないこと。


(4) 悪天候時の作業の中止
 強風時等の悪天候が予想されるときは、足場を使用する作業等を中止すること。


(5) 不安全行動の排除
 わく組足場の建わくを昇降する等足場上での不安全行動を行わないことを雇入時教育、第5の1の(7)のイの安全衛生教育等により、関係労働者に徹底すること。




 

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別紙


手すり先行工法による足場設置基準



1 手すり先行工法による足場の組立て等の基準

(1) 趣旨
 足場の組立て、解体又は変更の作業においては、労働安全衛生規則第563条、564条等の足場に関する労働安全衛生関係法令の規定を遵守した上で、さらに労働者が足場から墜落する危険を減少させるため、以下の基準を満たす手すり先行工法によることが必要である。


(2) 手すり先行工法の種類

 次のいずれかの方式を採用すること。

 ア 手すり先送り方式
  足場の組立て、解体又は変更の作業において、足場の最上層に床付き布わく等の作業床(以下「作業床」という。)を取り付ける前に、最上層より一層下の作業床上から、建わくの脚柱等に沿って上下スライド等が可能な手すり又は手すりわく(以下「先送り手すり機材」という。)を当該作業床の端となる箇所に先行して設置する方式であって、かつ、最上層の作業床を取り外すときは、当該作業床の端の先送り手すり機材を残置して行う方式である。先送り手すり機材は、最上層より一層下の作業床上で上下スライド等の方法により最上層に取付け又は取り外しができるものであり、一般に最上層のみに設置されるものである。

 イ 手すり据置き方式
  足場の組立て、解体又は変更の作業において、足場の最上層に作業床を取り付ける前に、最上層より一層下の作業床上から、据置型の手すり又は手すりわく(以下「据置手すり機材」という。)を当該作業床の端となる箇所に先行して設置する方式であって、かつ、最上層の作業床を取り外すときは、当該作業床の端の据置手すり機材を残置して行う方式である。据置手すり機材は、最上層より一層下の作業床から最上層に取付け又は取り外しができる機能を有しており、一般に足場の全層の片側構面に設置されるものである。

 ウ 手すり先行専用足場方式
  鋼管足場用の部材及び附属金具の規格の適用除外が認められたわく組足場等であって、足場の最上層に作業床を取り付ける前に、当該作業床の端となる箇所に、最上層より一層下の作業床上から手すりの機能を有する部材を設置することができ、かつ、最上層の作業床を取り外すときは、当該作業床の端に手すりの機能を有する部材を残置して行うことができる構造の手すり先行専用のシステム足場による方式である。


(3) 手すり先行工法の機材等の性能及び使用方法

 ア 先送り手すり機材の性能及び使用方法
  (ア) 性能
    先送り手すり機材の性能は、別表1の「手すりわくの性能」によるものであること。
  (イ) 使用方法
    先送り手すり機材は、次により使用すること。
    a 足場の組立て等の作業が行われている足場の最上層に設置すること。
    b 足場の片側又は両側の構面に設置すること。
    c わく組足場に使用する場合は、交さ筋かいを設置した後でなければ上下スライドさせてはならないこと。
    d 安全帯の取付設備として使用するときは、必要な強度を有していることを確認すること。
    e 製造者が定める使用方法等により使用すること。
 
 イ 据置手すり機材の性能及び使用方法
  (ア) 性能
    据置手すり機材の性能は、別表1の「手すりわくの性能」によるものであること。
  (イ) 使用方法
    据置手すり機材は、次により使用すること。
    a 交さ筋かいを取り外して使用する据置手すり機材にあっては、足場の片側構面に設置し、他の構面には交さ筋かいを設置すること。
    b 安全帯の取付設備として使用するときは、必要な強度を有していることを確認すること。
    c 別表2の「手すりわくの使用方法」及び製造者が定める使用方法等により使用すること。

 ウ 手すり先行専用足場の性能及び使用方法
  (ア) 性能
    鋼管足場用の部材及び附属金具の規格の適用除外が認められたわく組足場等については、同規格に定める性能を有するものであること。
  (イ) 使用方法
    製造者が定める使用方法等により使用すること。


(4) 安全帯の取付設備の性能及び使用方法

 ア 性能
  安全帯の取付設備として使用する親綱、親綱支柱及び緊張器(以下「親綱機材」という。)の性能は、別表3の「親綱機材の性能」によるものであること。

 イ 使用方法
  親綱機材は、別表4の「親綱機材の使用方法」及び製造者の定める使用方法等により使用すること。



2 働きやすい安心感のある足場の基準

(1) 趣旨
  足場上の高い緊張状態が要求される作業を改善するためには、関連する労働安全衛生関係法令のすべての規定を満たした上で、以下の基準を満たす働きやすい安心感のある足場とすることが重要である。


(2) 働きやすい安心感のある足場の種類
  次のいずれかを採用すること。

  ア 手すり先行専用足場型
    1の(2)のイ又はウの方式で組み立てられた足場であって、(3)に示す二段手すり及び幅木の機能を有する部材があらかじめ足場の構成部材として備えられているものをいう。

  イ 改善措置機材設置型
    1の(2)に示す方式で組み立てられた足場(アの手すり先行専用足場型に該当するものを除く。)であって、当該足場の設置状況に応じて(3)に示す改善措置機材(「足場上の緊張状態を改善するために有効な機材」をいう。以下同じ。)のいずれか又は複数のものを取り付けたものをいう。


(3) 改善措置機材の種類、使用方法等

 ア 二段手すり
  高さ90センチメートル以上で中さんを有する丈夫な手すりをいい、わく組足場の交さ筋かいと同一構面に設置するときは、交さ筋かいを取り外して使用しないこと。
 イ 上さん
  交さ筋かいの取付位置が低いときに交さ筋かいのヒンジピンの高さ以上に取り付ける丈夫な横さんをいい、交さ筋かいを取り外して使用しないこと。
 ウ 下さん
  交さ筋かいの取付位置が高いときに交さ筋かいのヒンジピンの高さより下方に取り付ける丈夫な横さんをいい、交さ筋かいを取り外して使用しないこと。
 エ 手すりわく
  二段手すりの機能を有するわく状の丈夫な手すりをいい、交さ筋かいを取り外して使用するものにあっては、1の(3)のイによること。
 オ 幅木
  作業床の外縁に取り付ける木製は又は金属製の板をいい、必要な強度を有し、かつ、高さが10センチメートル以上のものであること。
 カ ネットフレーム及び金網
  足場の構面に設置し、二段手すりと幅木の両機能を有するものをいい、性能は、別表5の「ネットフレームの性能」によるものとし、わく組足場の交さ筋かいと同一構面に設置するときは、交さ筋かいを取り外して使用しないこと。
 キ メッシュシート
  足場等の仮設構造物の外側構面に設け、物体が当該構面を超えて落下することを防止するために用いる網をいい、性能は、別表6の「メッシュシートの性能」によるものとし、別表7の「メッシュシートの使用方法」により使用すること。
 ク 安全ネット
  足場と躯体との間に水平に張って使用する網をいい、性能は、別表8の「安全ネットの性能」によるものであること。
 ケ その他の改善措置機材
  アからクの機材と同等以上の機能を有するアからク以外の改善措置機材をいい、当該改善措置機材の製造者の定める使用方法等により使用すること。



3 足場の点検等

(1) 点検等の実施

 ア 足場の組立て等の作業の監視
  足場の組立て等の作業を行うときは、足場の組立て等作業主任者に労働安全衛生規則第566条に規定する作業の進行状況等の監視を行うとともに、1の(3)及び(4)に示す各機材等の使用状況についても監視すること。

 イ 足場の組立て等の作業後の点検
  足場の組立て等の作業を行った後においては、労働安全衛生規則第567条に規定する点検を実施するとともに、2の(3)の改善措置機材の設置状況についても点検を行い、異常を認めたときは直ちに補修すること。

ウ 作業開始前点検
  足場を使用する作業等を開始する前に、イの点検に準じた点検を実施すること。


(2) 点検等の実施体制

 ア 点検者の指名
  (1)のアからウの点検等を行う者を指名すること。

 イ 点検表の作成
  (1)のアからウの点検等について、点検等を行う項目を定め、点検表を作成すること。

 ウ 補修等の記録
  点検等の結果、異常を認めたとき及び補修したときはその内容等について記録すること。




 

別紙1〜8 準備中