セメント工場サイクロン内部に設けた作業構台兼足場の倒壊事故
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セメント工場の耐火物補修工事における足場等倒壊災害

 労働災害の発生状況
1 発生日時  平成13年7月19日(木)  午後2時10分頃
2 発生場所 青森県八戸市大字新井田字下鷹待場7−1 八戸セメント工場内
3 工事名   キルン・NSP(ニューサスペンションプレヒーター)耐火物補修工事
4 発生状況
 セメント工場のサスペンションプレヒーターを構成するサイクロン連結ダクトの耐火物解体作業中、サイクロン及び連結ダクト内部に設けた高さ約20メートルの作業構台兼用の足場が倒壊し、作業中の8人のうち7人が墜落した。
 倒壊した作業構台兼用の足場は、単管で組み立てられ、支柱(建地)は4本(支柱間隔約1.7メートル×1.3メートル)でサイクロン底部から立ち上げられており、上部に鋼製布板で作業床が設けられ、底部から約11メートルの箇所にはステージング(作業構台)が設けられていた。なお、災害発生時には、このステージングに、解体した耐火物が多量に載せられていた。
5.被災状況  死亡3名、重軽傷5名
  (注)上記の災害概要等については、現在調査中であり、確定したものではない。














(本件労働災害に関して、厚生労働省労働基準局長から以下の業界要請が行われている。)

足場等の倒壊による労働災害の防止対策の徹底について



 建設工事における労働災害の防止については、かねてからその徹底を図ってきたところでありますが、去る7月19日、別添(略)のとおり青森県のセメント工場におけるサスペンションプレヒーター耐火物補修工事において、サイクロン内部に設けた作業構台兼用の足場が倒壊するという重大災害が発生しました。この災害において、足場上でサイクロン連結ダクトの耐火物解体作業を行っていた8名の作業者のうち7名が倒壊した足場とともに墜落し、3名が亡くなられたことは、誠に遺憾であります。
 本災害の原因については現在調査中でありますが、今後同種災害が発生しないよう、貴団体におかれましては、労働災害の防止について万全を期すため、足場及び作業構台を設置して行う同種の作業にあっては、下記に留意の上作業が行われるよう、会員事業場に対し周知徹底していただきたく要請いたします。


1 作業に使用する足場及び作業構台については、著しいねじれ、たわみ又は沈下等が生ずるおそれのない丈夫な構造となるよう、あらかじめ設置条件及び荷重条件を考慮して強度計算を行った上で組立図を作成するとともに、当該組立図に基づき組み立てること。また、足場の組立てに際しては、足場の組立て等作業主任者を選任し、その者に作業の指揮を行わせる等作業の安全確保を図ること。

2 足場及び作業構台の構造及び材料に応じて、作業床の最大積載荷重を定め、これを超えて積載しないこと。また、最大積載荷重を労働者に周知すること。

3 足場及び作業構台について点検のための責任者を定め、その日の作業開始前に、足場及び作業構台の主要部材等が組立図どおりであることを確認するとともに、支柱(建地)、はり(布、腕木)又は筋かい等の緊結部のゆるみの状態等を点検し、異常を認めたときは、直ちに補修すること。

平成13年7月31日
厚生労働省労働基準局長から

耐火物協会会長
日本築炉協会会長
愛知県築炉工業協同組合理事長   あて
建設業労働災害防止協会会長

足場等の倒壊による労働災害の防止対策の徹底について




  建設工事における労働災害の防止については、かねてからその徹底を図ってきたところでありますが、去る7月19日、別添1(略)のとおり青森県のセメント工場におけるサスペンションプレヒーター耐火物補修工事において、サイクロン内部に設けた作業構台兼用の足場が倒壊するという重大災害が発生しました。この災害において、足場上でサイクロン連結ダクトの耐火物解体作業を行っていた8名の作業者のうち7名が倒壊した足場とともに墜落し、3名が亡くなられたことは、誠に遺憾であります。

 本災害の原因については現在調査中でありますが、今後同種災害が発生しないよう、別添2(略)により築炉工事等セメント工場内で同種の工事を行う関係業界団体に対し標記について要請を行ったところであります。
 つきましては、貴団体におかれましても、会員事業場が築炉補修工事等本件と同様の工事を発注される場合は、工事関係事業者に対し、施設の設置図等工事に必要な情報を的確に提供するとともに、同種災害を防止するために適切な指導が行われるよう周知方お願い申し上げます。

平成13年7月31日
厚生労働省労働基準局長から

社団法人セメント協会会長  あて